「広いリビング」はもういらない? 個人の時間に寄り添う、これからのLDKの最適解

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「広いリビング」はもういらない? 個人の時間に寄り添う、これからのLDKの最適解

かつて、住宅設計において「リビングダイニングはできるだけ広く」が王道であり、憧れでもありました。家族みんなが集まり、大きなテレビの前に腰掛けて同じ時間を共有する。そんな「家族団らん」の象徴こそが、開放感あふれる大空間LDKだったのです。

しかし、ふと今の暮らしを見渡してみると、どうでしょう。

同じ部屋に家族が揃っていても、手元にあるのは一人ひとりのスマートフォンやタブレット。父親は動画サイトを見て、子どもはゲームを楽しみ、母親はSNSで情報収集をする——。「一緒にいるけれど、それぞれの時間を楽しんでいる」という光景が、ごく自然な日常になっています。

多様なデジタルコンテンツに囲まれる現代において、家族の過ごし方は確実に変化しました。そしてその変化は、「本当に必要なリビングの広さとは何か?」という疑問を投げかけています。

「同じ空間で別のことをする」ライフスタイルの定着

「家族みんなでテレビを観る」時代から、「同じ部屋でパパはスマホ、子はタブレット、ママは読書」というような過ごし方にシフトしたため、「大空間のド真ん中にドーンと集まる必要がない」「それなら適度な広さで仕切りやワークスペースがある方が集中できる」という意見は非常に一般的になっています。

「ただ広すぎる空間」が生む、小さなストレス

個人の時間が増えた現代において、無駄に広いリビングはかえって居心地の悪さを生むことがあります。

落ち着かない余白: 人は個別の作業やコンテンツに集中したい時、少しこもり感のある場所を好む傾向があります。だだっ広い空間の中央では、どこか落ち着きません。

光熱費や掃除の手間: 使わない「広い空間」を快適な温度に保ち続ける省エネ上のデメリットや、日常の掃除の負担も見逃せません。

リビングを「少し狭く」するメリット

リビングダイニングを必要十分な広さに絞り込むことで、住まい全体には新しい可能性が生まれます。

1. ワークスペースや書斎やヌックなどの個のスペースの確保

LDを少しコンパクトにする分、畳1〜2畳分の小さな書斎、ワークスペース、あるいは趣味の集中コーナーを確保できます。音や視線を緩やかに遮るスペースがあることで、個人の時間はより豊かなものになります。

2. 収納や家事動線の充実

面積の余白をファミリークローゼットやパントリーに充てることで、リビング自体に物が散らからず、狭さを感じさせないスッキリとした空間を維持しやすくなります。

これからの「つながり」に合わせた住まいづくり

「同じテレビを全員で見る団らん」から、「同じ空間で心地よく分散する団らん」へ。

リビングは「全員で何かをする場所」から、「それぞれの時間を過ごしながら、気配を共有する拠点」へ進化しています。

「リビングは広いほうがいい」という固定観念を一度手放してみる。 ほんの少し視点を変えるだけで、今のあなたの家族にとって一番心地いい距離感の住まいが見つかるかもしれません。

記事監修

YYさん

YYさん

二級建築士/インテリアコーディネーター/整理収納アドバイザー2級

ハウスメーカーやリフォーム会社にて、長年にわたり設計およびインテリアコーディネーター業務に従事。内装や照明、設備選びから、家具・カーテンのトータルコーディネート、さらにはモデルルームの設営や小物のディスプレイまで、住まいづくりに関するあらゆるステップを幅広く経験。建築士としての確かな知識と、整理収納の視点を活かし、美しさだけでなく「本当に暮らしやすい住まい」をご提案いたします。

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